冒険と探検と日常と ~のびのびTRPG~   作:混沌野郎

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 仕事に追われることになった先輩さん。
 もちろん学生ちゃんが気になるんだけど。
 ゲーセンに行くことにしたんだけど行けなくて。
 でも何とかゲーセンに行くことができて。
 ゲーセンで何が起こるのか……、そんなお話。

 第23話は1日目2日目3日目4日目5日目6日目7日目、8日目の8回に分けて公開します。
 また本話『仲間ができた日(8日目)』は 第25話『友達ができた日(8日目)』と「並行」しています。
 こちらもご一読いただければ幸い。

 本作は今野隼史(辺境紳士社交場)・アークライトの『のびのびTRPGスチームパンク』の二次創作です。
 ソロプレイのルール「カードをもとに物語を書く」に従って記した世界観を使って記した二次創作です。

 『のびのびTRPGスチームパンク』のプレイヤーキャラクターの「名前」を「キャラクターの名前」にしているので、
PC「機械屋」→「機械屋さん」
PC「少女」→「少女ちゃん」
等々となっています。

先に記しとく設定、
 先輩(主人公)・機械屋・学生、は女性、
 店長、等々は男性、
 作中の「ダリル」は通貨単位、1ダリル=1円くらい、
 と言うことで。

クレジット
ゲーム名:のびのびTRPG
ゲームデザイン:今野隼史
発売元:株式会社アークライト
© 2021 FRONTIERPUB / Arclight, inc.


第23話 仲間ができた日 (8日目) [8/8] (日常回)

 8日目

 

 今日もいつもより早く目が覚めた。

 今日も機械屋ちゃんよりも早い。

 珍しいことが続く。

 昨日は落ち込んでたけど、ひと晩寝たら気持ちが切り替わった。

 食堂でテレビ見て。

 起きてきた機械屋ちゃんと朝の挨拶して。

 さて、そろそろ仕事を始めよう。

 食堂から出て、工房の正面、シャッターを全部開けた。

 心地良い朝の光が工房に入ってきた。

「よしっ!

 今日はミスらないっ!」

 気合を入れて精密作業室に向かう。

 

 精密作業室に入って。

 正直、今日も学生ちゃんが気になる。

 適当な時間にゲーセンに行きたいって思う。

 でも今は図面を作るのが先。

 これ仕上げて仕事が落ち着いたらゲーセン行こう。

 真っ白な図面に向き合う。

 目を閉じて、呼吸を整えて、集中力を高める。

 ゆっくり目を開いて、図面を見た。

 同じミスは絶対しない!

 数字をしっかり確かめて1本目の線を引いた。

 2本目、3本目、線を引く。

 もちろん線を引くのも十分に確かめて。

 目の前の図面に気持ちを集中させて順番に線を引いた。

 昼前までもう少しの時間。

 図面に最後の線を引いた。

 まずはひと段落。

「ふうっ」

 ひと息ついて集中が解けた。

 でもまだ終わりじゃない。

 ひとつ目の数字と、1本目の線を確認。

 図面のチェックを始める。

 昼前を少しすぎた時間。

 チェックが終わった。

 問題なし。

 図面ができあがった!

 昼メシにちょうど良い時間になってた。

 

 食堂に移動。

 機械屋ちゃんがメシを盛り付けてくれてた。

「図面、できたか?」

 私に気づいて尋ねてくれた。

「うん、ミスなし。

 完璧な図面だよ」

「だな、

 その方が先輩らしい」

 テーブルをはさんでふたり向かい合って昼メシに取りかかる。

 メシを食いながらやっぱり仕事の話になる。

「仕事、3つ来たけど請けて良かったよな?」

「もちろんだよ、

 仕事があるって良いことだからね」

 機械屋ちゃんに言葉を返す。

 入った仕事の割り当て。

 私は昼からはフリー、機械屋ちゃんの仕事はもう少しかかりそう。

 だから私がふたつ、機械屋ちゃんがひとつ、にした。

 

 昼メシが終わって午後の仕事。

 昼からは私も作業スペースで仕事する。

 機械屋ちゃんとはすぐそばで作業してるけど話はしない。

 私も機械屋ちゃんも目の前の仕事に集中する。

 仕事を始めていくらかすぎて。

「こんちはー」

 近所の倉庫のおっちゃんが来た。

「こんちは」

 挨拶を返しつつおっちゃんの所へ。

「仕事ふたつ、お願いして良いかな?」

「良い良い、

 大歓迎だよ」

 笑顔で答える。

 おっちゃんから仕事の中身を聞いて、

 私からいくつか尋ねて、

 細かいところを確認して、

「じゃあ、お願いするよ」

 そう言っておっちゃんは帰っていった。

 おっちゃんとの話は機械屋ちゃんももちろん聞いてる。

 だから不安そうに言ってきた。

「先輩、仕事入れすぎじゃねぇか?」

「うん、キツいのは分かってる。

 でも頼まれた仕事断らないのがウチだからね」

 機械屋ちゃんから言葉が返ってくる。

「ああ、確かにウチらしいな」

 その後はまた仕事に集中する。

 

 時間がすぎて夕方。

 機械屋ちゃんが手を止めた。

 ?

 どしたんだろ?

「先輩、今日はここまでだ」

「?

 どゆこと?

 まだ今日の分終わってないし、まだ時間あるし」

 機械屋ちゃんに答える。

 すぐに機械屋ちゃんの声。

「アタイはこれからメシ作る。

 メシ作ってる間に先輩はゲーセンに行く」

「でも、学生ちゃん、絶対いないよ」

 これにもすぐに言葉が返ってきた。

「もっと早くに気づいたら良かったんだけど、

 学生ちゃんいなくても店長は絶対いるだろ?

 店長に学生ちゃんのこと聞けば良いし、

 なんなら伝言頼めば良い」

 !

 どうして考えなかったんだろ、

 機械屋ちゃんの言ったこと、全部その通り!

「うん、だね、

 じゃあ、行ってくる」

 そう言って工房を出た。

 ゲーセンはまだまだ十分に開いてる時間だから急がなくて良い。

 でも早足で急いだ。

 

 ゲーセンに着いて中に入る。

 客がちらほらいて、店の奥、カウンターの向こうに店長がいた。

 すぐに私に気づいてくれた。

「おう、先輩ちゃん」

 って言ってくれたけど私には挨拶の余裕はない。

「店長、

 学生ちゃん、来た?」

 早口で尋ねた。

 私の問いに店長の答えは、

「ああ、夕方に来たぞ」

「夕方?

 昨日とか一昨日は?」

 店長が落ち着いた口調で言った。

「来なかったけど、

 夕方に来たのは大事なことだ」

 昨日と一昨日は来なかったけど、大事なこと?

「それってどゆこと?」

「学生ちゃんから伝言だ」

 伝言?

 伝言。

 伝言!

 店長が言ってくれた。

「『友達ができたから学校に行きます』ってな」

 え!?

 脳がフリーズした。

 でもすぐに動いた。

 『友達ができたから学校に行きます』

 100%納得できた。

「『友達ができたから』って良い理由だよね」

 気づいたらそう言ってた。

「だな、良すぎる理由だ」

 店長が答えてくれた。

 続けて、

「二度と会えない訳じゃない、

 休みの日に会えるだろ」

 って言ってくれた。

「だね」

 ちょっと残念だけどいっぱい嬉しい、って思った。

 『友達ができた』か……。

 次に会うとき学生ちゃんはどうなってるんだろ?

 学生ちゃんの友達ってどんな子なんだろ?

 『次に会う』のが楽しみだって思う。

 じゃなくて、絶対に楽しくなる、だ。

 休みの日に会えるかもしれない。

 だから絶対にゲーセンに来る!

 絶対の絶対に楽しい目標ができた。

 




 これにて『仲間ができた日』は終劇です。
 が、物語はここで「半分」です。
 残りの半分は近日に公開予定の『友達ができた日』に続きます。
 6日目以降、学生ちゃんに何が起こってるのか?
 学生ちゃんの伝言、『友達ができたから学校に行きます』の意味は?
 そんなあたりが明らかになります。

 加えて、「作者が一度は作りたかった話」になります。

 次回は『新たなる世界』で、『仲間ができた日』の後日談です。
 では、今後ともご贔屓のほど宜しくお願い致します。
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