「人生を損してた」と思えるくらい大満足で。
正直な感想を学生ちゃんに伝えることに。
先輩さんの本への思いと学生ちゃんの本への思いは……、そんなお話。
第23話は1日目、2日目、3日目、4日目、5日目、6日目、7日目、8日目の8回に分けて公開します。
また本話『仲間ができた日(4日目)』は 第25話『友達ができた日(4日目)』と「並行」しています。
こちらもご一読いただければ幸い。
本作は今野隼史(辺境紳士社交場)・アークライトの『のびのびTRPGスチームパンク』の二次創作です。
ソロプレイのルール「カードをもとに物語を書く」に従って記した世界観を使って記した二次創作です。
『のびのびTRPGスチームパンク』のプレイヤーキャラクターの「名前」を「キャラクターの名前」にしているので、
PC「機械屋」→「機械屋さん」
PC「少女」→「少女ちゃん」
等々となっています。
先に記しとく設定、
先輩(主人公)・機械屋・学生、は女性、
店長、等々は男性、
作中の「ダリル」は通貨単位、1ダリル=1円くらい、
と言うことで。
クレジット
ゲーム名:のびのびTRPG
ゲームデザイン:今野隼史
発売元:株式会社アークライト
© 2021 FRONTIERPUB / Arclight, inc.
4日目
部屋の外が明るい。
そう感じて意識が眠りから浮き上がる。
目が覚めた。
毛布の中で、んーっ、と体を伸ばした。
時計に目をやるといつもよりずっと遅い時間。
何か大事なこと……。
……学生ちゃん?
ゲーセン行かないと!
ベッドから飛び起きる。
あわてて靴をはく。
部屋から飛び出す。
作業スペースではもちろん機械屋ちゃんが仕事してる。
「ゲーセン行ってくるね!」
早足で工房を出る。
機械屋ちゃんが何か言ってくれたけど返事する余裕、なかった。
ゲーセンに向かって急ぐ。
急ぎ足でゲーセンへ。
店に着いて中に入る。
カウンターに店長と学生ちゃんがいた。
「あー、良かった……、
学生ちゃん、店長、おはよ」
私の言葉に、
「おはようございます」
と学生ちゃん。
「おう、おはよう。
今日はどうしたんだ?」
店長に尋ねられる。
「寝坊しちゃった。
昨日、本読むのに熱中しちゃって」
「本、ってもしかして……」
学生ちゃんの言葉。
「うん、学生ちゃんに教えてもらった本、
のめり込んじゃった」
「じゃあ、1冊読み終わり、ですか?」
今度は質問。
「んっと、じゃなくて、2冊ね」
「えっ!?
2冊ともですか!?」
学生ちゃんの驚いた声。
「読み出したら止まらなくって、最後まで、って感じかな」
「先輩さん、すごいです……」
何だか呆然としてる学生ちゃん。
「でさ、感想」
学生ちゃんへの言葉。
「どう……、でしたか……?」
今度は不安げな学生ちゃんに、
「初めに人気の本、読んでね、
読みやすくておもしろかった」
学生ちゃんはこくこくとうなずく。
「でね、おすすめの本は、正直、私には難しかった」
「です……、よね……」
学生ちゃんは残念そうな表情になる。
私が言いたいこと、続きがある。
「でも、おすすめの読んだら人気のは物足りない、って思った。
だから、学生ちゃんが夢中になるの、よーく分かった」
目をぱちくりってして学生ちゃんはまた驚いた感じ。
何とか声を出す、みたいに、
「あの……、
ありがとうございます」
笑顔になった。
「でもやっぱり難しかった。
最後、めでたしめでたし、で終わるけど何か引っかかる感じ、って言うのかな、
納得できなくて、3回目でやっと分かった」
「それって……、3回読んだ、ってことですか?」
学生ちゃんはまた呆然になる。
「うん、だって気になること気になってるままで終わらせたくないからね」
言葉を続ける。
「相方が主人公裏切るシーン、あれって本気で裏切ったんじゃなくて裏切ったふりで、
でも主人公は裏切ったふりだって知ってて裏切られたふりしてる、で良いんだよね?」
「えと、それは……」
学生ちゃんはこくこくしてるんだけど言葉を出せなくて。
でも、
「……先輩さん、やっぱりすごいです。
初めて読んで気づくって……」
「何てのかな、そう考えたらクライマックスで上手くつながるな、って」
私の言葉に感動してる? 学生ちゃん。
本の感想、私の後に学生ちゃんも言ってくれた。
本のこと話してる学生ちゃんはとっても楽しそう。
学生ちゃんは小さいときから本を読むのが好きで、いつからかラノベを読むようになった。
でも、ありきたりなラノベじゃ物足りなくなって一般教育学校に入ったタイミングでBLを読み出した。
今までぜんぜん知らなかった世界。
だからBLに夢中になった。
って教えてくれた。
そんな話のうちにもう昼前。
学生ちゃんは今日も大公園に行くって言って。
だから最後に大事なことを伝えた。
「明日は休み。
昼すぎに常連が集まるからもし良かったら来て」
私の言葉に、
「はいっ!」
学生ちゃんは元気いっぱいの声で答えてくれた。
続
先輩さんは基本どんなことでも楽しめる人です。
なのでラノベとかも全く問題ないかと。
また、先輩さんには「人を傷つけない人」な感があります。先輩さんの良いところのひとつ、です。
次回は『仲間ができた日 (5日目)』です。
ゲーセンの常連が集まります。
では、次回もご一読のほどよろしくお願い致します。