冷戦末期、東西陣営が覇権を争っていた頃、突如この世とは理(ことわり)の異なる異界――ダンジョン――が各地に出現した。半世紀が過ぎた今、ダンジョンは都市のインフラに完全に溶け込んでいる。魔物を倒すと得られる「魔石」が電気とガソリンに取って代わり、ニュースでは「ダンジョンでの行方不明者数」が天気予報と同じ無機質なトーンで読み上げられる。
インフラを裏で支える在庫管理システムの保守担当だった春山は、AIの導入による人員整理に遭い、気づけばハローワークの窓口に並んでいた。再就職先もなく、彼が選んだのは、エリート探索者が蹂躙した後の戦場を這い回る「清掃員(ハイエナ)」という底辺のギグワークだった。
ダンジョンから与えられた能力は「メニュー高速化」。 自身のステータス画面を超高速で開閉できるだけの、戦闘には一切役立たないゴミスキル。
「さっさと首を切られるような男には、お似合いのゴミか……」
華やかなエリートたちの背中を追い、散らばる残骸を拾い集める日々。
しかし、撤退不能な閉鎖エリアで、理を外れた「イレギュラー」な魔物と対峙した時、絶望の淵で彼の指先がかつての熱(リズム)を取り戻す。
戦闘には無価値なはずの、無意味な操作の反復。 その果てに、春山は世界の理(コード)が悲鳴を上げるのを耳にする。
――絶体絶命の状況下、彼は気づく。 この世界は、攻略法(バグ)だらけの「クソゲー」であることに。
※小説家になろう、カクヨムでも投稿しています。
インフラを裏で支える在庫管理システムの保守担当だった春山は、AIの導入による人員整理に遭い、気づけばハローワークの窓口に並んでいた。再就職先もなく、彼が選んだのは、エリート探索者が蹂躙した後の戦場を這い回る「清掃員(ハイエナ)」という底辺のギグワークだった。
ダンジョンから与えられた能力は「メニュー高速化」。 自身のステータス画面を超高速で開閉できるだけの、戦闘には一切役立たないゴミスキル。
「さっさと首を切られるような男には、お似合いのゴミか……」
華やかなエリートたちの背中を追い、散らばる残骸を拾い集める日々。
しかし、撤退不能な閉鎖エリアで、理を外れた「イレギュラー」な魔物と対峙した時、絶望の淵で彼の指先がかつての熱(リズム)を取り戻す。
戦闘には無価値なはずの、無意味な操作の反復。 その果てに、春山は世界の理(コード)が悲鳴を上げるのを耳にする。
――絶体絶命の状況下、彼は気づく。 この世界は、攻略法(バグ)だらけの「クソゲー」であることに。
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