砂に呑まれ、少しずつ消えていく街があった。
かつては多くの人々で賑わっていたアビドス自治区。今ではその面影も薄れ、アビドス高等学校も廃校の危機に瀕していた。
そんな学校に、三人の生徒がいた。
どんな絶望的な状況でも夢を諦めない生徒会長、梔子ユメ。
現実を見据えながら、誰よりも学校を守ろうとする副会長、小鳥遊ホシノ。
そして、キヴォトスでは異例の存在である、ヘイローを持たない男子生徒、天城朔。
生まれも育ちもキヴォトスでありながら、他の生徒とは違う身体を持つ少年は、二人とともに砂漠の学校を守るため奔走していた。
これは、まだ三人が同じ未来を信じていた頃から始まる物語。
やがて訪れる別れも、後悔も、数多の出会いも、彼らはまだ知らない。
――それでも、砂の街にはきっと夜明けが来る。