推薦作品:タイ焼き BanG Dream!
バンドリ既読者向けの2万5千文字1話完結短編作品。ライブで失敗し今後の方向性に悩んだ美竹蘭が気恥ずかしさで幼馴染達には頼れずに一人外に出た。そして行く先で出会う他ユニットの先輩達に対し彼女が只管空... (全文表示)
バンドリ既読者向けの2万5千文字1話完結短編作品。ライブで失敗し今後の方向性に悩んだ美竹蘭が気恥ずかしさで幼馴染達には頼れずに一人外に出た。そして行く先で出会う他ユニットの先輩達に対し彼女が只管空回っていく笑えるコメディを挟みつつも、頼れる先輩達の助言から自分達らしいバンドの方向性を見つけ出すに至ったその過程を丁寧に描ききった良作です。本作はユニットの垣根を超えたバンドリの各キャラクター達みんなが魅力的に生きている作品で、悪気なく口喧嘩を仕掛けてくる湊友希那に加えて弱みと見ると弄りに弄り倒してきた氷川日菜に対して真面目に真正面から反発していく美竹蘭らしい一つ一つの反応が本当に笑えて可愛い。幼馴染達にしか普段見せない彼女の隠れた素直さが一人称視点だからこそ存分に味わえました。更にその魅力的なキャラクター描写の他にも美竹蘭のパフォーマンスの悩みに対して、先輩キャラクター達が指し示す音楽の様々な技術が具体的に素人にも分かりやすく説明され彼女達の高い技量が確かに垣間見えて美竹蘭と一緒になって勉強になりました。そんな笑えて勉強になった最後の締めもしっかりと纏められ素晴らしい構成を見せてくれて、バンドリの世界に浸れる良作となっているので是非一読してみて下さい。
推薦:夜市よい 評価:★ (Good:1/Bad:0)
推薦作品:超越少女は路を示すが旅をするのは俺達だ 現代 / 戦記
舞台はAIがそこそこ発展しつつも頭打ちになりつつある、並行世界の現代日本。言語学研究のためにAIエージェントを自作したというかカスタマイズした男子大学院生が、なにやら国の偉い人にお膳立てされつつ謎の... (全文表示)
舞台はAIがそこそこ発展しつつも頭打ちになりつつある、並行世界の現代日本。言語学研究のためにAIエージェントを自作したというかカスタマイズした男子大学院生が、なにやら国の偉い人にお膳立てされつつ謎の少女からの情報収集に挑む。……と雑にまとめてしまえばカジュアルな感じで、実際その通り異世界から来た技術チート持ち少女とのコミュニケーションが主題の作品ですが、一方で重厚なSFとしての側面も外せません。でたらめのような(そうでないと超越少女にならないのだ、とは作者の言)未来技術をネイティブに理解している情報提供者(インフォーマント)から、それをどうにか我々が理解できる形で引き出し、複雑な現代社会に埋め込んでいく。イノベーションが停滞しつつある現代社会で、もういちど産業革命が起きるとしたらどんな感じなのか、というシミュレーションに心が躍る……作者さんの処女作にして傑作『図書庫の城邦と異哲の女史』における「城邦」の立場に私たちが置かれたらいったいどうなっちゃうの、という具合で、その実出だしも似通っているので、あの作品が好きだった方にはぜひ読んでほしいと思います。また、至近未来の世界への解像度が高いのもポイントです。AIの進歩が多少あっても、そこまで我々の世界と変わらない技術水準、およびそれが超越少女の知識という外力によって強制振動させられていく過程が、リアリスティックに描かれています。近未来から遠未来への、不安定な遷移状態……。リアルなぶん話の進みはゆっくりとしていますが、そこは超越少女ちゃんやAIエージェントちゃんの可愛さで補いましょう。あと並行世界ゆえにオタク心をくすぐるような固有名詞が出てきます(通商産業省だとかJNR関東だとか)ので、そういうのが好きな方は飽きずに読み進められるかと思います。▼読む際の注意事項などSFではあるのですが、「理数よりも社会学や認知科学とかの知識がある程度ないと辛い」かもしれません(感想欄より引用)。言ってる意味がわからなかったら検索にかけて、それでもだめなら部分選択してAIに丸投げするといい感じに理解できたりします。まあ結局のところ文体が肌に合う合わないの問題という気もしますが……。それと「超越少女ちゃんの可愛さ」とか言いましたが、ラブコメチックというかラノベチックな描写は薄いので、萌えが欲しい方は脳内補完してください。硬派な文体のまま控えめにラノベ的シチュエーションをやるのがこの作者さんの特徴です。(いちおう、主人公と新宿デートしてるシーンはあります。あくまでデートじゃなくて人間社会研修なんだけど萌えを希求する自分にはデートにしか見えない)
推薦:C6N2 評価:★ (Good:2/Bad:0)
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