昔、魔法なんて存在しないと思っていた。
箒は床を掃くものだったし、木の枝は投げて遊ぶものだった。北の城は観光のためにある場所で、私はただの居候の孤児だった。
もしも魔法があれば、と思ったことはある。そうしたら、人はもっと幸せで、誰も傷つかず、平和に楽しく暮らせるのだろう。そんなことを、ぼんやりと考えていた。
十一歳の夏までは。
箒は床を掃くものだったし、木の枝は投げて遊ぶものだった。北の城は観光のためにある場所で、私はただの居候の孤児だった。
もしも魔法があれば、と思ったことはある。そうしたら、人はもっと幸せで、誰も傷つかず、平和に楽しく暮らせるのだろう。そんなことを、ぼんやりと考えていた。
十一歳の夏までは。