厳格な教育により「理想の貴婦人」を完璧に演じるブルグントの妹姫・クリームヒルト。しかしその正体は、前世が現代日本の成人男性であり、仮面と真の自我の狭間で苛む日々に疲弊しきっていた。
 鬱憤を晴らすため、夜な夜な男装して酒場へ繰り出していた彼女は、ある夜、龍退治の英雄である夫ジークフリートに男装姿を見られてしまう。万事休すかと思いきや、彼は爽やかに笑った。
「そっちの姿の方が、ずっといい顔だ」

 素の自分を初めて全肯定され、最高の「相棒」として互いを深く信頼し合う二人。
 この温かな絆が、やがて全土を揺るがす不条理な破滅の引き金になるとも知らずに――
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