かつての恐怖時代へのトラウマから、警察は『超常の怪異』の存在をひた隠しにしていた。
中東の紛争地域から帰国した魔術師・エミヤが目撃したのは、昼の空を黒く染め上げる不気味な【日食】。

そして、夜の街を独自の殺戮ルール──『Yr』のままに侵食していく、人間に擬態したケルトの英雄たちだった。

偶然出会った警察官のバゼット。
そして、警察の地下に潜伏するアイルランドからの観光客だという謎の魔術師・【グリム】。

歌舞伎町の高級ホストクラブ、夜霧の閉鎖トンネル、そして多重債務者が集う闇の地下闘技場。エミヤは「一般市民を守るため」に、神話の英雄たちの誇りを蹂躙する冷徹なハメ殺し戦術で、夜の戦争に身を投じていく。

だが、彼らが勝利を掴むたびに、世界の崩壊を告げる『ラグナロク』のパズルは完成へと近づいていた──。

「君たちがどんなに正しくても、今俺は悲しいし、怒っているんだ!」

神の大義(光)を、人間のエゴ(影)が噛み殺す。

孤独な弓兵が、本物の『正義の味方』として神話の天秤をへし折るダーク伝奇サスペンス、開幕。