アイザック１１世の扱いに関してはちょっと思うところがありましたね。彼は無能で考えなしとはいえども何だかんだヘルメスのことを考えていた人であっただけに、有能すぎる主人公よりよっぽど感情移入したんです。ゆえに彼が主人公に言われておんぶにだっこで挨拶回りに行くシーンなんかは、主人公がアイザックに「一人じゃなんにもできない奴」と尊厳をこき下ろしている（ゆっくり○待でよく見る）のとほぼ同じだったので主人公にムッとしましたね……。主人公がアイザック嫌いなのは知ってるけども、悪意なくむしろ好意でそれをやってそうなところがまたなんかなぁ、と。更に言うなら、それで彼が今後成長するならともかく、次の話ではぽっと出の女に刺殺されてしまうんだから「んもー！」って感じでした。”ルナ・デューイにはアイザックを殺す権利がある”のなら、アイザック部下の二人にもルナ・デューイを殺す権利があるやろ！いったれ！と個人的な感情としては思っちゃいましたね。アイザック１１世が１２世くらいアレだったならスカッとしたかもしれないけれど、彼は「魅力の乏しいただの人間」感が強くてそこまでの仕打ちを受けなくても感がありました。

あと些末な気になるところとして、主人公がレヴィアタン方面に進むベヒモスに対して「レヴィアタンを食うため」に向かっていることに察していなかった点があります。そもそも魔族は共食いで魔王になること以外に詳しい情報が無いが故にこそ厄介な存在であり、更にベヒモスはよく食べることが強調されていたため、私みたいな知識パート読み飛ばす読者でも「魔王融合したらやばくね」って思ったんですが、私以上に賢い主人公がそれにすぐ気付かないわけない気がするんですよね。まあきっと彼は疲れていたんでしょう。

なんだか良いところより気になるところの方が文字数多くなっちゃいますね。気になる部分はどうしても頭の中で何が気に入らないかを考えてしまうので、別に良いところが少ないわけではないのです！好きを意識するのは難しいのです！語っているのがエロシーンばっかりなのは私の下半身センサーがそういってるので仕方ないんです！

さておき全体を通して盛り下がりすぎるパートなどは少なく、常に次の目標があり、どんどん広がっていく世界はこの作者様でなければ味わえないものなのは間違いありません。続きも読んでいきたいと思います。……もっと人間の感情をドロドロにした素敵な描写（オブラート）を見せてくれてもいいのよ？

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