―――バブル絶頂期、日本は狂喜乱舞する時代を迎えていた。
 株価は約5年で200%の上昇を記録し、大企業のみならず中小企業も売上が急上昇していた。
 更に地価も急上昇し、投資家以外に一般の人ですら株や土地への投資・投機を始めた。
 大企業は地方や海外でのリゾート開発を行い、アメリカを中心にその国の象徴的な物や企業を多く買収していった。
 若者も就職先も困ることなく、文系を中心とした人々の就職先が溢れ、企業は新人歓迎会や入社式には海外旅行や自動車などをプレゼントしていた。
 この時代は海外旅行も盛んであり、東京の人が軽々と熱海旅行の様にハワイへと観光をし、海外の土産や高級ブランド品を買い漁った。
 国内はこの状況に「東京は世界の金融センターになる」と言われ、海外では日本企業の儲け方、日本社会を学ぶ為に「ジャパン・アズ・ナンバーワン」を読み、日本はアメリカを超えるのでは?と言われた輝かしい時代。
 そんなキラキラとした時代に裏では暗躍し、勢力を増強していた者も居る……。
 暴力団である。
 大都市圏で彼らは地上げ屋となり、様々な土地所有者に対して放火やトラックなどの乗り物での建物破壊などが横行し、その犯罪行為によって億単位の金を手にする暴力団若手幹部が現れた程であった。
 この当時の暴力団は公然と活動していることが多く、警察との裏取引も横行し、メディアに露出する傾向もあり、暴力団の影響力が上がると同時に暴力団への印象が悪い方向へと進んでいた。
 そんな暴力団は増強し続けると、他方の暴力団と対立が始まり、潰し合い、抗争が始まる。
 警察官や一般市民を巻き込んだ暴力団の抗争は多数の死者と逮捕者を出し、1991年に政府は動いた。
 「暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律」が公布され、暴力団は一気に弱体化していった。
 また同時期に大蔵省と日本銀行による急激な金融引き締めによりバブルは崩壊し始め、日本は30年以上も現在も続く「平成不況」、「失われた30年」が始まる。
 そんな時代を暴れた一人のヤクザはカタギの道へと進み、あるウマ娘のトレーナーに就職する一つの物語である………。

  第0話 ようこそ府中へ()
  第1話 祝福を与える者2023年07月13日(木) 07:00()
  第2話 期待の眼差し2023年07月14日(金) 07:00()
  第3話 脚質2023年07月21日(金) 07:00()
  第4話 初戦2023年07月29日(土) 07:00
  第5話 焦り2023年11月19日(日) 07:00
  第6話 芙蓉とお兄さま2023年11月20日(月) 07:00
  第7話 骨折と帝王
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