目を覚ますと、そこは「機動戦士ガンダム」の世界だった――
だが、主人公・神谷悠(かみや ゆう)は、その物語を断片的にしか覚えていなかった。
アムロ・レイとシャア・アズナブルという名にかすかな記憶の糸を辿るものの、戦争の結末も、誰が死に、誰が生きるのかも定かではない。
ただ一つ確かなのは、自分が“ホワイトベース”に乗り込んだという現実だけ。

彼はアムロと出会い、カイやフラウたちと共に避難し、ジオンの攻撃を受けながらも整備員、後方支援要員として戦火をくぐり抜けていく。
だがその中で、彼は次第に気づいていく。

ガンダムは希望ではなく、恐怖だった。
英雄と呼ばれる少年の瞳の奥に、“何かを壊してしまった”空洞を見るたびに、
アムロ・レイは味方でありながら、次第に「恐れるべき存在」として映っていく。

人が次々と死に、笑っていた仲間が戦士に変わっていく中、
「ただの民間人」としてこの世界に来た神谷悠は、
“英雄”にも“敵”にもなれず、ただ無力な自分と向き合い続ける。

それでも彼は、生きる。

たとえ物語の中心に立てなくても。
たとえ誰からも忘れられる名であっても。
「人間のまま、この戦争を生き残る」――それが、彼の選んだ戦いだった。

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