門田 菊(かどた きく)、20歳。

 田舎出身の彼女が、父親のDVから逃げるように東京に出てきてはや2年。
仕事をクビになり、アパートも追い出され、絶望のままに夜のネオン街をさまよっていた。
 何もかもうまくいかない、自分にいい所なんて何もない、あるのは劣等感、コンプレックスのみ。

 そんな彼女は、とある橋の上で、その男性の姿を目にする。

 大勢の美女を周囲に侍らせ、その顔は生気に満ち溢れ、瞳はまるで少年のように澄み輝いている。
立派な体格に立ち姿、さわやかな笑顔、どこを取ってもそれはまさに『成功者』の風格だった。

「ああ、この都会で成功するのは、ああいう人なんやなぁ」

 自分に絶望し、橋の下に身を投げようとした時、彼女はその肩を掴まれる。
 果たして後ろにいたのは、さきほど目にしたイケメンの男性だった。

「あなた、もしかして――」

 それに続く言葉が、彼女の人生を180度変える最初のキッカケとなる。

 ――『 便 秘 』で、お悩みではないですか?――

「……は?」



 その男、白雲 虎太郎(はくうん こたろう)。人呼んで「うんこたろう」。

 排便を完璧にコントロールし、それを起点に健全な肉体と精神を自他ともに作り上げる知識の持ち主。
人体の内宇宙(インナースペース)すら支配し、彼に関わる人々を幸せに導いていく。

 彼との出会いが菊の人生を、価値観を、全く逆の方向に変えていく――

 ちょっと汚い? 新たな令和のスーパーヒーロー、ここに爆誕!
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