「もっかい俺と戦って欲しい!」
「――いや、全ッ然意味分からんって!」


二つの家があった。
今日にいたる魔導の基礎システムを築き上げた、時と機構の魔導を司るクロノ家。
それと競り合う形象魔導の大家、ランドバーク家。

二人の少年がいた。
シンシャ。ランドバーク家の御曹司。
未だ負け知らずと、天と才に愛された美貌の少年。
グレア。クロノ家の分家の裔。
何者にもなれない歯車。己を律し、己を殺し、回り続ける。

ひとつの、出会いがあった。
帝都魔導院。その入学に際しての模擬戦。

グレアは、シンシャに勝った。

……そのせいで、彼の在り方は、音を立てて一気に瓦解した。
負けたシンシャはなぜかグレアに懐き、そのせいで宗家からもシンシャのハーレムからも、厳しい視線にさらされる日々。

奔放で天真爛漫なシンシャに振り回されながらも、まっすぐにこちらに向けられる目と感情に惹かれるグレアは、抑え込んできた感情と人生を取り戻していくことになる。

※直接的な描写はありませんが、見る人によってはBLに見えるかもしれませんので一応必須タグには入れておきます
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