現代の日本に、一人の少年が居た。彼はとある癖を除けばほぼ完璧とも言える人間だった。周囲から期待されながらも押し潰される事なく精進を続けていた。

またあるところに、一人の少女が居た。彼女は同じ学校に通う一歳年上の少年に憧れていた。彼女は少々抜けているところがあったが、誰からも愛される人間だった。

これまたあるところに、少女の友人が居た。彼女はしっかり者であり、少女とは正反対の気質を兼ね備えていたが二人は仲良しであった。

三人は同じ部活、トランポリン部で切磋琢磨していた。期待の新星と新入生同士だったが、三人の仲は良好だった。トランポリンを通して、空を飛ぶための“翼”を身につけていた。

三人は知らない。翼がもう間もなく、跡形もなく千切れてしまうことに。

翼を奪われた少年少女たちが再び空を翔ぶまで、彼らは地を這い蹲りながらも前へと進んで行く……。
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