一人の少年の願望によってほんの少し歪んだある種の平行世界────────。

 第5次聖杯戦争において、冬木の聖杯は破壊されていた。


 しかしそれにも関わらずに、場所を変えて行われた第6次聖杯戦争。
 第三次聖杯戦争において縁のあった一族を利用し、時計塔を欺き…………。
 彼らは────アインツベルンは諦めることが出来なかった。
 だからこそ、死力を尽くした。

 そして────だからこそ、その失敗が許せなかった。認められなかった。────直視できなかった。


 アインツベルンの妄執はもはや歯止めが利かなった。
 遠坂、マキリによる一種の自爆攻撃である、聖杯戦争の情報開示にも怯まずに彼らは暴走を続ける。

 無数の亜種聖杯戦争が勃発している中、聖杯戦争は開催され────。
 陰で行われる魔術協会の妨害の中、聖杯を破壊する。


 そんなサイクルの中、世代は交代する。


 第9次聖杯戦争────。
 開催場所は日本、盆地の端に位置し四方を山に囲まれた地方都市、杉羽良市。

 あらゆるものを授けられた遠坂の魔術師は語り部の一人として、これに参加する。


 ───────一人の英雄が産声を上げる。
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