旧題:フールマン・インスペース


巨神(taitan)
 奇跡の光により超常現象を引き起こす女王、モスラ。
 燃える翼により眼下の全てを薙ぎ祓う炎の悪魔、ラドン。
 それらを統べる地球の化身にしてキングオブモンスター、ゴジラ。
 ムートー、ベヒモス、スキュラ、メトシェラ、ティアマト、その他諸々。

 怪獣とも呼ばれる彼らは、人類と長きに渡り地球の覇権をめぐり戦いを繰り広げた。
 だが人類のあらゆる武器も彼らを打ち倒すには至らなかった。
 そして長い長い戦いの中、人類の中に3つの思想による派閥が生まれていた。
 
 巨神が人類の自然破壊に対して怒る大自然の化身であるとして、文明を縮小して「つつましく」生きようと考える「共存派」。
 ありとあらゆる手段を使い、巨神に対して徹底抗戦を掲げる「抗戦派」。
 そして………巨神に勝てぬなら、この星を捨てて地球外に逃げてしまおうという「逃亡派」。
 
 最後の逃亡派により立ち上げられた地球外逃亡計画「スターライト計画」は、抗戦派の関心が巨神や人類同士の内輪揉めに集中していた為スムーズに進んだ。
 移住先に選ばれたのは、木星圏にある衛星「X星」。
 事前の調査により地下に水がある事と豊富な鉱物資源、そして何よりコンピューターの弾き出した計算により、ゴジラの熱線の射程圏外であるという事が明らかになった事から、移住先に抜擢されたのだ。
 そして一先ず、調査と開拓のために人員を向かわせ前線基地を建てる事になった。
 途中、共存派が差し向けたであろう環境テロリストによる妨害により、調査に向かう宇宙飛行士のほとんどが殺害されるというアクシデントがあったが、紆余曲折あり開拓の第一陣である宇宙船・ハヌーシュ号は打ち上げられた。
 
 して、このハヌーシュ号であるが、宇宙船と言っても外見は各ブロックを組み合わせた棒状の本体に推進剤と太陽電池をつけた………誰が呼んだか「トンボ」に例えられるような、どちらかと言うと宇宙ステーションのような外見をしている。
 
 地球〜X星の長い航海のための物資と環境から換算して、かなり大きい宇宙船であるが乗組員………乗せる人員は一人のみ。
 上記の通り候補に挙がった宇宙飛行士のほとんどが殺される中ただ一人生き残った男。
 日本人男性の「ニノミヤ・イツム」ただ一人が。
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