人類が増えすぎた人口を宇宙に移民させるようになって半世紀。
 人々は第二の故郷”スペースコロニー”で子を産み、育て、死んでいった。

 宇宙世紀0079、地球から最も遠くに位置するスペースコロニー”サイド3”はジオン公国を名乗り、地球連邦政府に対し宣戦を布告した。
 開戦から一週間あまりで総人口の半数が死に至らしめられた。
 人類は自らの行いに恐怖した…。

 宇宙世紀0079、1月31日。

 上層部の腐敗、そして一週間戦争による大打撃で混乱を極める地球連邦。
 そこにジオンが提示してきた”南極条約”。
 これに連邦政府が応じれば、地球連邦の敗北は決定的であった。

 ——しかし、その矢先――地球に一人の男が舞い戻った。
 ――ヨハン・イブラヒム・レビル――後の地球連邦軍総司令官である。
 平和を愛し、戦争終結を望むはずの彼はなぜ、継戦演説を決意したのだろうか?
 彼の覚悟と意志の裏に隠された地球圏の真相とは?

 そんな疑問を抱いたのは、彼を第一線で護衛した一人の連邦軍人だった。
 ――アーサー・ディエゴ・ランベルト――彼もまた、人類の平和を願う一介の軍人であった。
 人類の半数を死へと追いやったこの戦争の意味を、彼は虚空に問い続ける。
 しかし誰もそれに答えはしない。
 ただ沈黙の果てに、彼はまた戦争という名の元に罪を重ねなければならない。

 これは、一人の将軍と軍人がルウムの閃光に身を投じ、”憎しみの光”に消えゆくまでのほんの一刹那の戦記である。

※不定期更新です。
※暁様の方にも投稿させていただいております。

第一部 血染めの宇宙
  第一部 登場人物()
  ルウムの瞬き2014年05月05日(月) 23:28
  敗軍の男たち2014年05月05日(月) 23:36()
  敗戦の記録①2014年05月06日(火) 11:22()
  敗戦の記録②2014年05月11日(日) 15:15()
  もう一つの地獄2014年08月15日(金) 18:42()
  虚無へと2014年10月20日(月) 00:32()
第二部 閉ざされた未来
  第二部 登場人物2014年11月10日(月) 20:25
  若さがゆえに2014年10月25日(土) 14:50()
  背徳の咆哮2014年11月10日(月) 01:14()
  心の暗雲2015年01月06日(火) 00:43
  今一度、宇宙の惨禍へ2015年04月30日(木) 23:48()
  第二の血戦
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