井芹さんは私にとって救世主だった。
私に譲らなくていいって教えてくれた、正しいと信じるものに従えって教えてくれた。

私は負けたくないから、間違ってないから今も此処に居る。
勝手に背中を押してくれたと思っているから井芹さんに……。


「井芹さんのロックが本物のロックなんだ」

「退路を断ってこその自分の道なんだ」


私は此処にあり続ける、自分の意志で薄汚い街を捨てて──。


それが私、朱鷺乃椿(ときのつばき)だと信じて──。







 川崎で活動を続けるトゲナシトゲアリの前に現れたのは、16歳の少女・朱鷺乃椿だった。井芹仁菜の歌声に全てが救われ、世界に色彩が与えられた彼女は井芹仁菜と出会う。

「ダイヤモンドダストなんて偽物ゴミバンドに絶対に負けないでください!」

 彼女が向ける純粋な好意は、仁菜が捨てたはずの「棘」となって突き刺さる。
 その姿はまさしくかつての井芹仁菜の姿そのものでしかなかった。


※この作品は基本的にガールズバンドクライ13話後の世界だと思ってください。
※pixivにても投稿をしております。
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