世界の“理”に弾き出されるように、槙島聖護は何度世界線を巻き戻しても必ず死に辿り着く。
牧瀬紅莉栖はすべての手段を尽くして抗うが、世界そのものの圧力の前に、ついに彼を救えないという絶望だけが積み重なっていく。

父を失い、母が壊れていく光景を見つめていた娘・志乃は、そのたびに同じ言葉を口にする。
――「ごめんね、お母さん。次こそは、うまくやるから」。

なぜ槙島聖護は“あの世界”に現れたのか。
なぜ彼の死は、いかなる世界線でも回避できないのか。
志乃とは何者で、彼女が繰り返し“知っている”はずのない結末を覚えているのはなぜなのか。

『志す者たちの彼方』は、前作『未来への歪み』で残されたこの謎──
「世界は本当に変えられないのか」「それでも、志す者はどこへ行き着くのか」
その答えを、志乃という特異点の正体と、彼女が選ぶ“最後の一手”から描き出していく物語である。
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