あらすじ

 公安から警視庁へ出向した天才システムエンジニア、大安文徳。

 全国の警察情報を統合し、都道府県の垣根を越えた事件へ対処する《広域情報統括室》のシステムを、わずか半年で完成させた彼は考えていた。

 ――平常時なら、一人でも運用できる。

 だが、異世界からチート能力を持ち帰った帰還勇者、日本列島を支える要石の少女、感情一つで世界中の電子網を破壊しかねない電子使い、喧嘩が国家存亡へ直結する極道令嬢。さらに、意味不明な推理を披露する最強の私立探偵、毎週のように事件を仕掛ける犯罪の帝王、勝手に自宅のビールを飲む宇宙的存在まで現れる。

 人類の危機は絶え間なく訪れ、優秀な部下二人は些細なことで言い争い、巻き込まれ体質の少年からは今日も救援要請が届く。

「女の子の扱いくらい学んでおかないと駄目だよ。おじさんみたくなるからね」

 世界を救っても表彰されず、残るのは報告書と無給の残業だけ。

 これは、宇宙的恐怖すら通常業務として処理する公務員たちの、あまりにも広域すぎる不条理事件簿である。
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