これは神世紀301年、人として生きる道を選んだ勇者たちの手によって、全てに終止符が打たれた数か月後の出来事。

「私には行かなきゃいけないとこがある」

壁外調査で発見された少女、黒上(くろうえ)采南(さな)はそう告げる。

少女は西暦時代に自分を助けてくれた見ず知らずの恩人に、感謝の言葉を伝えようとしていた。

もう生きてはいないと心のどこかで思っていても、今の少女にはそれしか生きる理由がなかったから……

これは神世紀に長い眠りから目覚めた一人の少女が顔も名前も知らないあの人に、ただ一言「ありがとう」と伝えるまでの物語。
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