宇宙世紀0079――。
ジオン公国と地球連邦の戦争は、すでに多くの命を奪っていた。
連邦軍作戦立案科実務班主任、アレックス・ハーディング少佐。
彼に与えられたのは、前線で敵を倒す任務ではない。
「どうすれば、この戦争を終わらせられるのか」
補給物資は足りない。
兵士も足りない。
情報は錯綜し、前線では今日も人が死んでいく。
そんな状況の中、ハーディングは部下たちと会議室に籠もり、戦場ではなく、戦争そのものと戦い始める。
補給を立て直し、敵との交渉を模索し、占領に必要な戦力すら「撃たずに済ませる」方法を考える。
彼らが目指すのは、敵を殲滅することではない。
「救える命は、全部救う」
そのためなら、軍人らしからぬ方法だって構わない。
コーヒーの香りとタバコの煙が漂う会議室で、ひと握りの軍人たちは戦争を終わらせるために知恵を絞る。
これは、モビルスーツが戦場を駆け抜ける一年戦争の裏側で――
一度も引き金を引くことなく、戦争と戦った男たちの物語。
「……なんとかしろ!」
「……本当に、打つ手が思い浮かばない……」
それでも彼らは、考えることをやめなかった。