穂群原に『花咲かじいさん』がいる。そんな噂が流れたのは、3年ほど昔のことだ。

その《太陽の手》で育てられた植物は芸術のように麗しく咲き誇り、土壌さえも変わってしまう。植物にとってまさに神のような存在。
だが、10年前の火事で公園となった焼け野原に未だ雑草の1つさえ生えない現実に、噂は迷信となり『花咲かじいさん』はおとぎ話の中に戻っていった。

――さあ、冬木に花を咲かせてみせましょう。



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