科挙に落ち続け、書いた小説は酷評され、家督まで弟に奪われた。
挙げ句の果てに宦官にされかけ、家を飛び出した李景承、三十八歳。

神仙や武侠の物語を愛してやまない男は、流れ流れて辺境の雑兵にまで落ちぶれていた。

そんな彼が偶然出会ったのは、伝説の神獣・白沢。
家宝の宝珠と引き換えに念願の仙丹を手に入れた景承は、ついに超常の力を獲得する。

ただし、なぜか肉体は絶世の美少女になってしまった。

「ふむ。どうやら吾は仙女となる天命にあったようじゃな」

しかし、彼が服用したのは仙丹ではなく、宇宙文明の自己進化型ナノマシン。
頭の中で語りかける仙霊も、実は補助AIだった。

自分がサイボーグになったとは夢にも思わない元おっさんが、憧れの仙女を演じながら江湖武林を渡り歩く。

これは、超科学を仙術と思い込んだ男の、少々おかしなSF武侠譚である。