むやみに他人の真似をすると、本来の自分のことを忘れてしまうでしょう。
次第に、あなた自身のことも、誰の真似だったかも忘れてしまって。
結局はどちらも上手く往かなくなるわ。

だから。


……春風のように穏やかな温もりを点した声が、さわさわと少年の耳奥を撫ぜる。新緑をそよりとなぞる嫋やかな手は、風に吹かれて揺れる短な灰銀を梳かした。強請るように首をもたげ、人外のひやりとしたる膝に遠慮がちに頭を乗せると彼女はくふくふ幸福を閉じ込めるように片手で口を覆って微笑んだ。


「どうか、あなた様の個性を大切にしてください。」
「どうか、もう無理に他人を真似るのではなく、自分の得意を為さいませ。」


※原作には居なかった銀灰カラーが主人公。
※グライス・エトワールの冒険記録。
※支部にも投稿中。
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