鬼と人の社会を繋ぐ人工食糧《ニエ》。
ニエの少女が鬼になったなら、食べられる側はもう卒業?
ところがどっこい、鬼となろうが食糧根性はまるで抜けなかった。

古き鬼カミラの気まぐれで鬼となったニエの少女、ハニ。彼女はとびきりの笑顔で宣う。

「どうぞ、私を召し上がってください!」

食べてもらえれば嬉しい。
誰かの役に立てるならもっと嬉しい。
家事も勉強も仕事も全力投球。
必要とあらば、手足が飛ぼうが爆散しようが、自分を使って助けに行く。

そんなハニと暮らすのは、隙あらば彼女を齧って可愛がる古き鬼カミラ、生真面目で世話焼きな元鬼狩りの鬼ベント、肝の据わった元狩人の老女レイン。

「ハニはお役に立ちましたか?」
「ええ、素晴らしい仕事だったわ」

美味しく食べて、慈しんでくれる家族のため、ハニは今日も邁進するのだ。

自分を“代わりのきく食べ物”だと思っている少女が、食べられたり、誰かを助けたり、恋をしたり、時々盛大にバラバラになったりしながら、少しずつ「家族」になっていく。

血生臭いのにどこかあたたかい、鬼と人と食糧少女の異種族疑似家族ファンタジー。

※流血や欠損等の残酷描写があります。
※本作は小説家になろう・ハーメルンにも投稿しています。