大海に浮かぶ学園都市リヴァリスでは、死者の記憶が「残響」という音として漂い、稀にそれを聴く少女が生まれる。銀髪の記譜院研修官フィノは、転入生ミリが塔に導かれる様子を目撃し、研究心から接近する。だがミリは旧文明を滅ぼした〈深淵〉の断片を封じ込めた「器」だった。二人は残響解析を通じて孤独と共鳴を分かち合い、淡い恋慕を育むものの、ミリの内部で神話的存在ナイアルラトテップの残響が覚醒し始める。

都市には集団幻聴と深淵病が広がり、フィノはミリを一時封印するが「守るための束縛」が誤解を深め、ミリは自ら封印を破って暴走の中心へ。やがて塔最深部で再会した二人は、都市を救う条件が〈器〉の消滅であると知る。フィノは身代わりを願うが、ミリは「あなたに私の声を残す」と微笑み、口付けとともに光の粒へ溶けて残響を鎮める。

世界は静穏を取り戻すが、人々の記憶からミリの存在は消える。唯一覚えているフィノは、黒百合に宿る微かな旋律を胸に生き続ける。朝の校庭で名もなき旋律が流れ、彼女は涙ながらに呟く──「おはよう、ミリ」。光は悲しみを抱いたまま、未来へ響き続ける。

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