ビタロサ王国シシリア州カターニアに住まう九歳になる少女アンナ。
 自然美しく、恵み深い島と優しい人達に囲まれて育まれてきた彼女は駆ける。
 その目的は大切な人の為。大切な人達の為に。

 術式という技術が存在し、神魔や霊獣、怪物などを始めとする『超越者』が数多ある幻想世界で冒険者となった幼い少女は、どう生きるのか。これはそんな日常の物語。
 数多の勇気と優しさにより一時の平穏が齎された大陸で彼女は何を見て、何をを望むのか。これはそんな冒険の記録。
 既に不倶戴天の敵はない。だからこそ個々が幸福を望める社会となっている。
 世界の脅威が去った後。生きる人々が織りなすのはありきたりな日々である。
 世界の謎には触れないし、退けるべき災厄もなかった。
 
 この物語は少女アンナと彼女の大切な人達の織りなす穏やかな日常とささやかな冒険を綴ったもの。学術的な価値はなく、血湧き肉躍る英雄譚でもなければ深く余韻を残し、思想に触れる様な文学でもない。
 ありふれた、軽い物語。

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 改題しております。元タイトルは「ユニコーンのお話。」

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