世界で初めて「エマージェント」と呼ばれる異能者が現れてから、約一か月。

異能犯罪や暴走事故が相次ぎながらも、社会はまだ日常を保っていた。

福岡で引きこもり生活を送る十四歳の少年・結城零は、両親との外出中、エマージェントの暴走事故へ巻き込まれる。

両親が傷つき、自らも瀕死となった時、零自身も発現した。

目覚めた彼の身体は、白髪と金色の瞳、巨大な白い翼を持つ姿へ変わっていた。そしてその手には、人の傷を治す未知の力が宿っていた。

混乱の中で出会った橘彰人とともに暴走を止めた零。その力を暴走させていたのは、悪意ある犯罪者ではなく、自分でも止められず苦しんでいた少年・天海裕太だった。

一つの事件をきっかけに出会った三人は、やがて国際組織AEGISの保護下で、新しい生活を始める。

異能を持つとは、どういうことなのか。
力を持つ者には、何をする責任があるのか。
そして、突然すべてが変わってしまっても、人はそれまでの人生を続けられるのか。

まだ誰も答えを知らない世界で、少年たちは自分たちなりの生き方を探していく。