だが、その翌日から始まった「戦後」の物語を、誰も語ろうとはしない。
前線でかろうじて生き残った名もなき兵士ヨルンは、識字ができるという理由だけで、戦死者名簿を書き上げる記録係に回される。
紙の上に並ぶのは、二度と戻らない命の「名前」と「出身地」と、簡素すぎる「一行」だけ。
復興、魔族収容区、戦犯裁判、復興利権、勇者の演説、暴動、検閲――
勝者の物語に都合よく削られていく現実の中で、ヨルンはそれでも「見たまま」を書き残そうともがき続ける。
これは、勇者でも魔王でもない、一人の記録係が百年にわたる戦後を綴る物語。
焼かれ、隠され、それでも読み継がれてしまう“都合の悪い歴史”の年代記である。
※カクヨム様も投稿しております
- 第1話 最前線の翌日
- 第2話 戦死者名簿と生き残り
- 第3話 記念碑を建てる人々
- 第4話 魔族収容区の朝
- 第5話 戦犯裁判と英雄裁判
- 第6話 復興利権と沈黙 (改)
- 第7話 勇者の言葉
- 第8話 反乱の夜 (改)
- 第9話 焼けたページ
- 第10話 戦後十年、初老の影
- 第11話 英雄の子ども
- 第12話 老記録官と若き弟子 (改)
- 第13話 ヨルンの最後の一頁
- 第14話 混血の街
- 第15話 禁書指定 (改)
- 第16話 地下朗読会
- 第17話 書く人、読む人
- 第18話 王都の外
- 第19話 魔族の土地 (改)
- 第20話 追われた者たちの思い
- 第21話 発展と興味
- 第22話 在留資格
- 第23話 あの頃を知る者たち
- 第24話 王都
- 第25話 朗読会再び
- 第26話 名のない歯車 (改)
- 第27話 機械仕掛けの噂