東方幽棲抄 ~ 今日も今日とて、ツンデ霊夢に殴られる
作者:

原作:東方Project
タグ:オリ主 東方 東方Project 幻想入り ほのぼの
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「ふざけるのも、大概にしなさい!」

 怒号が発せられたと思うや否や、霊夢の放った鋭い拳は、俺の腹に深々と突き刺さった。拳が腹を貫通したと錯覚するほどの衝撃に、うめき声とともに肺の中の空気がこぼれ出る。

 俺は膝から崩れ落ち、そのまま畳の上に倒れこむ。悶絶する俺を尻目に、霊夢――この博麗神社の巫女は、不機嫌そうに足を踏み鳴らしながら、どこかへ立ち去っていった。

「……相変わらず、いい踏み込みのリバーブローだったね、あれは。世界を獲れる一撃だ。間違いない」

 横合いから、のんきな声が聞こえてくる。俺の親友であり、一緒に幻想入りした優だ。

「そんな感想は、どうでもいいから……。まずは俺に心配の一声とかあっても、よくないか……?」

「いつも通りの日常の風景に、わざわざ感情を動かす道理なんて無いでしょ」

 俺の恨めし気な声をよそに、優は飄々として答えた。

 紫さん――幻想郷の管理者である八雲紫に招かれ、優と一緒に幻想入りしてから、早数ヶ月。はたく・殴る・蹴るなど、俺が霊夢から暴力を受けるなんて、さほど珍しくない光景だ。

 ……おっと。この一場面だけを切り抜いたら、霊夢の風評が著しく悪くなりかねないな。彼女の尊厳に配慮して、きちんと説明しておこうか。

 とはいえ、俺と優が霊夢と出会い、こうして幻想郷で日々を送るようになる過程に触れておいた方が、より理解を促しやすいだろう。

 まあ、いわゆる昔語りだ。そんな堅苦しい話でもない。ソファーにでも座ったり、布団に寝っ転がりったりしながら、のんびりと耳を傾けてくれ。

 それこそ、小説を読むように。

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(作者からのコメント)

 物語の展開は、原作準拠する形で『紅魔郷の紅霧異変』から順に始めます。

 自分の書きたい物語を作ることを最優先するので、登場人物同士の言葉の掛け合い……『言葉遊び』を多めに描写していこうと思います。

 ちなみに、「幽棲抄(ゆうせいしょう)」とは、「俗世から離れた、ゆったりとした暮らしの物語の抜き書き」という意味です。
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