実弥は去った。
風のように跡形もなく鮮やかに。遺言も骨も、今際の際の涙もない。残されたのは一振りの日輪刀。それだけだった。
あの日から数日後、風屋敷に現れた三人を宇随は狂喜して迎えた。未曾有の、阿鼻叫喚の火炎地獄の中から人を探すことなど不可能だ。宇随たちは、ただ気を揉んで、焦燥と苦悩と悲嘆に耐えるしかなかった。
「不死川は……あいつ……は」
宇随は、剥き出しの実弥の日輪刀を見て、全てを悟った。
「最期まで……立派でした……」
それだけ言うと、彼女は日輪刀を抱えたまま気絶した。
――――――――――――――――――――――★★
無惨戦後の世界。
不死川実弥が生き抜いて、子をなし、そして、死ぬまでの物語です。
風のように跡形もなく鮮やかに。遺言も骨も、今際の際の涙もない。残されたのは一振りの日輪刀。それだけだった。
あの日から数日後、風屋敷に現れた三人を宇随は狂喜して迎えた。未曾有の、阿鼻叫喚の火炎地獄の中から人を探すことなど不可能だ。宇随たちは、ただ気を揉んで、焦燥と苦悩と悲嘆に耐えるしかなかった。
「不死川は……あいつ……は」
宇随は、剥き出しの実弥の日輪刀を見て、全てを悟った。
「最期まで……立派でした……」
それだけ言うと、彼女は日輪刀を抱えたまま気絶した。
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無惨戦後の世界。
不死川実弥が生き抜いて、子をなし、そして、死ぬまでの物語です。
| 第1章 風月 | |
| 第1話 花韮を踏んで | |
| 第2話 風屋敷で幻を見る | |
| 第3話 星見 | |
| 第4話 実弥、多旗の勧めを黙殺す | |
| 第5話 藤襲山の思い出 1 | |
| 第6話 藤襲山の思い出 2 | |
| 第7話 愛弟亡き後に | |
| 第8話 哀哭 | |
| 第9話 二重虹 | |
| 第10話 実弥の縁談 1 | |
| 第11話 実弥の縁談 2 | |
| 第12話 羽織越しのキス | |
| 第13話 『雨が止みませんね』と言ったのに | |
| 第14話 拉致された許嫁 | |
| 第15話 お館さまの指示で | |
| 第16話 夫・実弥vs 許婚・南條 | |
| 第17話 宇髄の読み | |
| 第18話 ざわめく千年竹林 | |
| 第19話 煽る冨岡 | |
| 第20話 宇随からの情報 | |
| 第21話 玄弥の写真 | |
| 第22話 弟なんかいねえと言った後 | |
| 第23話 作戦と悲鳴嶼の承認 | |
| 第24話 幸せの一部を | |
| 第25話 藤の家紋の家で冨岡と | |
| 第26話 恋の歌を残して | |
| 第27話 鎹鴉の教える手がかり | |
| 第28話 無惨を倒したらきっと | |
| 第29話 梔子が恋を見ている | |