渉が暮らしている古民家。その隣りには、校内で一番美しい少女、汐町由香里(ゆかり)が住んでいる。
 草木が朝露にきらめく坂道を駆け降りて学校に向かい、底なしの笑顔でクラスメイトにおはようを告げる。そんな彼女に挨拶を返す者はいない。
 渉は、由香里のありふれた言葉を幻想的で特別なものだと信じることで、目の前の絶望的な現実から目を逸らしていた。
 が、ある出会いをきっかけとして、その運命は始まってしまう。それは、彼が新しい人間へと生まれ変わるきっかけだった――彼は秘めた夢を叶える。
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