科学と魔術が交差するとき、物語は始まる。

人口の大半を学生が占め、科学技術が外の世界よりも遥かに進んだ街――学園都市。

そこには、230万人の頂点に君臨する七人の超能力者(レベル5)が存在する。

第一位『一方通行(アクセラレータ)』。

第二位『未元物質(ダークマター)』。

第三位『超電磁砲(レールガン)』。

しかし、その七人とは別に、学園都市の極秘記録にのみ存在する少年がいた。

識別番号《ZERO》。

序列には存在しない、幻の第零位。

久遠零司。

科学の領域ではあらゆる物理現象を掌握し、魔術の領域では世界を構成する法則にすら干渉する。

科学と魔術、その両方の頂点に立つ規格外の存在。

だが、そんな彼には一つだけ問題があった。

――どうしようもないほどの気分屋なのだ。

ある日は気まぐれに少女を救い、ある日は悪党の計画に手を貸す。

正義の味方になるつもりもなければ、悪の支配者になるつもりもない。

面白そうなら首を突っ込み、退屈ならば見向きもしない。

たとえ相手が学園都市最強の超能力者であろうと、世界を揺るがす魔術師であろうと、その態度は変わらない。

「正義とか悪とか、どうでもよくない? 僕がどうしたいか、それだけで十分でしょ」

やがて少年の気まぐれは、上条当麻、御坂美琴、一方通行、そして魔術側の強者たちの運命を大きく狂わせていく。

本来なら失われるはずだった命が救われることもあれば、起こるはずのなかった悲劇が生まれることもある。

科学も、魔術も、神も、魔神も。

誰も、この少年の行動を予測できない。

これは、英雄でも魔王でもない一人の少年が、己の気分の赴くままに世界を引っ掻き回す物語。

**――その日、科学と魔術の物語に、誰にも制御できない第零位が加わった。**
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