よろずやの看板娘(という名の変人)
「はーい、いらっしゃい。よろずやだよ、なんでも屋のよろずやさ」
町はずれ、大通りから一本外れた寂れた商店街のいちばん端。色褪せた看板には、こう書いてある。
よろずや――金さえもらえば、なんでもやります
看板の下には小さく、こうも書いてある。
(ロボット修理も、します。たぶん)
私の名はステラ。このよろずやを営む、ハイブリッドの女店主――ということになっている。
周りには、そう言ってある。ハイブリッドってのは、生まれつき体の一部が機械ってやつさ。「機械化度」って言葉があってね、全身が生身なら0、全身が機械なら100ってわけ。私の機械化度は? と訊かれたら、「レディの秘密」と笑ってごまかす。
本当のことを言えば――私はハイブリッドじゃない。全身を機械に置き換えた機械化兵でもなければ、工廠で組み上げられたアンドロイドでもない。そのどれでもない、**その先の何か**さ。
何なのか、と訊かれても困る。私にも、うまく言えないのだから。ただ、ひとつだけ確かなのは、**この体は、私のもの**だということ。それで十分だろう? ふふん。
で、私の見た目の話だ。
腰まで伸びた、銀の髪。赤い、目。全体に華奢(きゃしゃ)で、角(かど)がひとつもない。顔は、我ながら、**驚くほど整って**いる。……自慢じゃないよ、事実さ。
人間の十五歳、ぐらいの少女に、見える。……**見える**、というのが、大事なところだ。
私がこの町に流れてきたのは、**十年前**。町はずれの、古い工場跡に住み着いた。それから、十年。
……**私は、変わらない。**