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推薦作品:超越少女は路を示すが旅をするのは俺達だ 現代 / 戦記
舞台はAIがそこそこ発展しつつも頭打ちになりつつある、並行世界の現代日本。言語学研究のためにAIエージェントを自作したというかカスタマイズした男子大学院生が、なにやら国の偉い人にお膳立てされつつ謎の... (全文表示)
舞台はAIがそこそこ発展しつつも頭打ちになりつつある、並行世界の現代日本。言語学研究のためにAIエージェントを自作したというかカスタマイズした男子大学院生が、なにやら国の偉い人にお膳立てされつつ謎の少女からの情報収集に挑む。……と雑にまとめてしまえばカジュアルな感じで、実際その通り異世界から来た技術チート持ち少女とのコミュニケーションが主題の作品ですが、一方で重厚なSFとしての側面も外せません。でたらめのような(そうでないと超越少女にならないのだ、とは作者の言)未来技術をネイティブに理解している情報提供者(インフォーマント)から、それをどうにか我々が理解できる形で引き出し、複雑な現代社会に埋め込んでいく。イノベーションが停滞しつつある現代社会で、もういちど産業革命が起きるとしたらどんな感じなのか、というシミュレーションに心が躍る……作者さんの処女作にして傑作『図書庫の城邦と異哲の女史』における「城邦」の立場に私たちが置かれたらいったいどうなっちゃうの、という具合で、その実出だしも似通っているので、あの作品が好きだった方にはぜひ読んでほしいと思います。また、至近未来の世界への解像度が高いのもポイントです。AIの進歩が多少あっても、そこまで我々の世界と変わらない技術水準、およびそれが超越少女の知識という外力によって強制振動させられていく過程が、リアリスティックに描かれています。近未来から遠未来への、不安定な遷移状態……。リアルなぶん話の進みはゆっくりとしていますが、そこは超越少女ちゃんやAIエージェントちゃんの可愛さで補いましょう。あと並行世界ゆえにオタク心をくすぐるような固有名詞が出てきます(通商産業省だとかJNR関東だとか)ので、そういうのが好きな方は飽きずに読み進められるかと思います。▼読む際の注意事項などSFではあるのですが、「理数よりも社会学や認知科学とかの知識がある程度ないと辛い」かもしれません(感想欄より引用)。言ってる意味がわからなかったら検索にかけて、それでもだめなら部分選択してAIに丸投げするといい感じに理解できたりします。まあ結局のところ文体が肌に合う合わないの問題という気もしますが……。それと「超越少女ちゃんの可愛さ」とか言いましたが、ラブコメチックというかラノベチックな描写は薄いので、萌えが欲しい方は脳内補完してください。硬派な文体のまま控えめにラノベ的シチュエーションをやるのがこの作者さんの特徴です。(いちおう、主人公と新宿デートしてるシーンはあります。あくまでデートじゃなくて人間社会研修なんだけど萌えを希求する自分にはデートにしか見えない)
推薦:C6N2 評価:★ (Good:2/Bad:0)
推薦作品:まる子、戦争にいく。 ちびまる子ちゃん
ちびまる子といえば、日常を代表するような作品の一つです。そんな作品と戦争を絡めた話なんて、一見ただの悪ふざけに見えるでしょうし、実際、その手の作品は二次創作にまま見られるものです。キャラクターをサ... (全文表示)
ちびまる子といえば、日常を代表するような作品の一つです。そんな作品と戦争を絡めた話なんて、一見ただの悪ふざけに見えるでしょうし、実際、その手の作品は二次創作にまま見られるものです。キャラクターをサイコパス化させ、本来なら『あり得ないこと』を行わせる。そこで生まれる原作との落差を面白がらせようとする。しかし、この作品は違います。日常を生きていたまる子たちが、性格はそのままに、非日常である戦争の中へ置かれ、悪夢のような世界に沈み込んでいく。この作品の場合、物語の中の彼女らがまさしく日常の中の人物であると皆知っていればこそ、読者は彼女らが置かれる境遇をより身近に感じ、考え込ませられるのです。▼読む際の注意事項など内容的には、まったくのシリアスですし、残虐な描写が多く登場します。快活な作品ではなく問題作であり、あまり適切な例えではないかもしれませんが、ジブリでいう『火垂るの墓』のような、見る者に心構えを必要とさせる作品です。
推薦:tubuyaki 評価:★ (Good:28/Bad:6)
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