推薦作品:迷宮クズたわけ Wizardry
名作RPG「wizardry」をモデルにした死に戻り系迷宮探索小説。というか作中で出てくる敵は概ねwizardryのまんまである。理不尽難易度の迷宮を内心で罵倒しながら踏破していく様は、wizardr... (全文表示)
名作RPG「wizardry」をモデルにした死に戻り系迷宮探索小説。というか作中で出てくる敵は概ねwizardryのまんまである。理不尽難易度の迷宮を内心で罵倒しながら踏破していく様は、wizardryの初プレイ時の体験を思い出させる。初期パーティーに司祭を入れるな。語り手である盗賊の語り口や登場人物との関わり合いなどがタンパクであっさりしているのも相まって、昔のRPGってこんなだったよな、という感覚にさせてくれる。本作だと死んで戻るのは死ぬ直前時点なのでどちらかというとクイックセーブみたいな感じだが。またリアリティを増すような描写もしっかりされている。盗賊の鍵開けやクリティカルに対して「体外の状態を感じ取る領域」というかなり面白い設定で説明したり、睡眠魔法の脅威が知れ渡っていたりと世界設定もあり退屈させない。それでいてそれらは軽く触れる程度であくまでメインは探索・戦闘描写であるというバランスもちょうどいい。タイトルの元ネタと思しき作品の最序盤の雰囲気が30話までずっと続いていく様相。こういうのが欲しかった。死に戻りする主人公は盗賊という職業についているだけあって口が悪く悪人を自称してるが、表立って仲間と対立とか強さに明かして悪行三昧とかしないため読んでても不快感は全くない。元ゲーム的にいえばEではなくN。あんたほんとはいい人だろ。初めは罵倒していた仲間に対する思いや印象なども話が進むにつれ変化していくのが読んでいて微笑ましい。また仲間たちのキャラクターも一人除いて結構変化があり、描写されなかった冒険の合間を匂わせてくるのが憎い。詳細な描写がないからこその楽しみがある。RPGの醍醐味である「想像」の楽しさが味わえる名作。▼読む際の注意事項など上でも書いたが描写が相当あっさりしている。登場人物たちの心理描写とか心の触れ合いとかは描かれないため、そういうものを期待して読むと肩透かしを食らうかもしれない。また死に戻り系にありがちな「自分が死んだあとの世界も続いていて~」だとか「死に戻りの秘密を仲間に打ち明けて~」だとかいう展開も一切ない。この作品では単に死に戻りは手段の一つに過ぎないため変な期待はなされないように。また作中で何度か詰みセーブじみた連続死にポイントが何度かでてくるが、途中の内容はバッサリカットされる。死んでリセしたらセーブに残らないから仕方ないね。作品名が「名前で損してる」といわれる作品のパロディだったり作者名がド下ネタだったり30話中22話を1日で投稿していたりと伸びない要素満載だが、忌避せずぜひ読んでもらいたい。完結済みかつそこまで長くもないのでサラッと読める。
推薦:eudaimonia36 評価:★ (Good:8/Bad:2)
推薦作品:私、メリーさん。47日後に逢いに行きます 現代 / ホラー
都市伝説でお馴染みメリーさんを取り扱った創作は数多くあり、こちらの作品もタイトル通りメリーさんを扱った作品といえます。またこういった創作物のメリーさんといえば元ネタ通り恐ろしい存在だったり普通の女... (全文表示)
都市伝説でお馴染みメリーさんを取り扱った創作は数多くあり、こちらの作品もタイトル通りメリーさんを扱った作品といえます。またこういった創作物のメリーさんといえば元ネタ通り恐ろしい存在だったり普通の女の子だったりチョロインだったりポンコツだったりと幅広く存在します。今回紹介させていただくこちらの作品もなかなか変わった性格をしたメリーさんが登場します。なんと、電話口の向こう側の相手に対して、日本各所の観光スポットを紹介するというDJ風メリーさんという奇抜なキャラクターとなっているのですが・・・この作品のキモはそういったキャラクターの個性ではなく、ひとつの物語としての構成の上手さなのでしょうね。一人の男とDJ風メリーさんの、電話越しのコミカルな会話から始まり、徐々にヒモ解かれていくメリーさんの真意や、別れの挨拶の意味。細かなところに散らばった伏線など、完成度が高い。この作品のタグにも書いてあることなのですが、全文一万字程度の文章量なので直ぐに読み切ることが出来るにも関わらず起承転結がしっかりしており、文章自体も読みやすい印象を受けました。読もうと思えば10分で読み切れるし、もう一度読み返せばなた新しい発見もあるやもしれません。心にそっと寄り添ってくれるような余韻の残る、おすすめの一篇です。▼読む際の注意事項など
推薦:ロスタイマー 評価:★ (Good:127/Bad:4)
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