推薦作品:Q. もしも1981年11月1日の夜が物凄く寒かったら ハリー・ポッター
この物語は、まさにタイトル通り「もしも1981年11月1日の夜が物凄く寒かったら」というIFです。大筋としては、原作より寒くなった事で赤子のハリーに生命の危機が生じ、それに呼応するかのように1/... (全文表示)
この物語は、まさにタイトル通り「もしも1981年11月1日の夜が物凄く寒かったら」というIFです。大筋としては、原作より寒くなった事で赤子のハリーに生命の危機が生じ、それに呼応するかのように1/8ヴォルデモートの意識が目覚めて、生死を見知らぬ赤子と共有している事を本能的に察した記憶喪失のトムが不承不承世話を焼く、といった感じです。この二次創作の素晴らしい点は、この手の二次創作に有りがちな「ハリーやヴォルデモートなど登場人物の性格や描写が原作と大幅に乖離している」訳ではない事です。トム・マールヴォロ・リドルは手段さえ有れば赤子より知っている子供を殺害する事を平気で考えますし、自身を軽んじられれば激しく怒ります。ハリー・ポッターは魔法の天才で分別の付いた子供などではなく、年相応にクソガキで頭が足りません。それでいて、トムは唯一自分を認知し会話するハリーの為に、ダーズリー達の嫌がらせへの対処法を授け、魔法史の宿題に早めに手をつけるよう促します。ハリーは幼い頃から一緒に居る存在に名を与え、それが自身の両親を殺した相手と察しながらも友達のように扱います。それらの細かい描写はまるでハリー・ポッター原作を読んでいるような雰囲気を感じさせてくれます。他にも、プライドの高さを覗かせながら、ダーズリー達の扱いや幼児期の発言を覚えていないハリーにショックを受けるなど子育てに悩むトムや、親の愛を知らず両親を奪い去った相手が近くに居るという実感を持たないハリーを待ち受ける「みぞのかがみ」等、二次創作ならではの楽しみもあります。▼読む際の注意事項など所謂「ハリー愛され」ものでは全くありません。また「ツンデレヴォルデモート」「原作より優秀なハリー」の需要に合致しているとも思いません。
推薦:キムチムチ 評価:★ (Good:4/Bad:0)
推薦作品:ヒマリの遺書 ブルーアーカイブ
原作ブルアカ1話完結7800文字短編作品。先生が読む頃には自分は既に死んでいるという明星ヒマリから先生に送られた一通の手紙。その遺書の内容を追うことで痛切なまでの彼女の心情が明らかになっていくと同... (全文表示)
原作ブルアカ1話完結7800文字短編作品。先生が読む頃には自分は既に死んでいるという明星ヒマリから先生に送られた一通の手紙。その遺書の内容を追うことで痛切なまでの彼女の心情が明らかになっていくと同時に、更にそこから読者皆が大きな衝撃を受ける終盤へ突入した素晴らしい完成度の短編です。本作はあらすじを詳細に記載すると初見での面白味が激減してしまう作品なので、遺書の中身等には触れませんが兎に角明星ヒマリへの解像度が非常に高い。あの超天才病弱ハッカー明星ヒマリが遺書を書くという全く信じられない設定にも関わらず、遺書の内容を読んでいると真に迫った彼女の想いに気づけば胸を打たれている。簡素なタイトルから重厚かつキャラ愛が溢れていたシリアス描写が序盤中盤の魅力です。そしてそんな魅力あるシリアス描写から訪れた兎に角インパクト抜群だった終盤が本当に素晴らしく、この終盤で決して曇らせだけではないブルアカ原作への愛に溢れた作品へと昇華させて序盤の遺書がまた違った意味に変わり繰り返し読んでも更に楽しめる構成が素敵です。更に作品の読了感を決める根幹部分の解釈までもが完全に読者に委ねられていることによって読者それぞれが信じたい読了感に浸れるという描写する情報の出し方すらも上手い。そんな短編で起承転結全てが見事に纏まっている作品なので是非一読してみて下さい。
推薦:夜市よい 評価:★ (Good:39/Bad:1)
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