・PDF ・感想ページへ (42件) ・アクセス解析 ・お気に入りの追加
推薦作品:TS衛生兵さんの成り上がり ファンタジー / 戦記
「人の命は、距離になります」剣と魔法が存在する異世界でありながら、そこに広がるのは輝かしい冒険ではなく、泥濘と硝煙にまみれた凄惨な「塹壕戦」の日常です。わずか58メートルの領土を獲得するために80... (全文表示)
「人の命は、距離になります」剣と魔法が存在する異世界でありながら、そこに広がるのは輝かしい冒険ではなく、泥濘と硝煙にまみれた凄惨な「塹壕戦」の日常です。わずか58メートルの領土を獲得するために800人の命が消えていく、そんな狂った戦場に、回復魔法の素養を見出された15歳の少女トウリ・ノエルは衛生兵として投げ込まれます。本作が描くのは、ファンタジーという舞台装置を使いながらも、徹底して冷徹な「戦争の現実」です。魔法は華やかな奇跡ではなく、効率的に敵を焼き払うための「砲撃」として運用され、弾丸が飛び交う空はオーロラのように美しくも絶望的な死の光を放ちます。前世でFPSのプロゲーマーだったトウリは、その卓越した戦況把握能力と、時に「快楽殺人鬼」と自嘲するほどの冷徹な生存本能を武器に、地獄のような死線を何度も潜り抜けていきます。しかし、本作の真の魅力は、その過酷な泥沼の中でこそ輝く「人間たちの絆と意志」にあります。部下を盾にする残虐な「エース」でありながら、圧倒的な力で背中を守り続けたガーバック小隊長。口が悪く不器用ながら、どこまでもトウリを守り抜こうとした戦友ロドリー。そして、敵対する立場でありながら、国家の重責と理想に押し潰されそうになりつつ戦い抜いた天才少女シルフ・ノーヴァ。「死こそが地獄からの解放であり、神に認められたゴールである」と悟らざるを得ない極限状態において、彼らは守りたいもののために泥を啜り、血を流し、そして散っていきます。これは、自らの臆病さと醜い憎悪を抱えながらも、大切な人のために、そして明日を生き延びるために「成り上がる」ことを選んだ一人の少女の、あまりにも泥臭く、気高い記録です。 死の臭いが充満する塹壕の中で、それでも人間であることを捨てきれない者たちが奏でる「命の輝き」を、ぜひその目で確かめてください▼読む際の注意事項など「この人なら死なないだろう」と思った人物はだいたい死にます。覚悟して臨んでください。
推薦:西園寺桜花 評価:★ (Good:1/Bad:1)
推薦作品:無源の秋 〜竜の翼は風雲に舞う〜【第二章鋭意執筆中】 ファンタジー / 戦記
ハーメルンじゃかなり珍しい、非常に硬派な戦記モノ。 とにかく世界観が分厚い! 戦場の香りが濃い! おまけに合戦の内容がアツい! 世界観そのものは、飛竜騎兵や魔導兵器が戦場の華となっているくら... (全文表示)
ハーメルンじゃかなり珍しい、非常に硬派な戦記モノ。 とにかく世界観が分厚い! 戦場の香りが濃い! おまけに合戦の内容がアツい! 世界観そのものは、飛竜騎兵や魔導兵器が戦場の華となっているくらいゴリゴリのファンタジーですが、主人公勢は兵站管理と兵科運用で戦に勝ち、物流・産業の観点から国興しを目論むゴリゴリの架空戦記。 おまけに、目玉のひとつである飛竜や魔導兵器の運用を紐解けば、どこか近代兵器を彷彿とさせつつも、この世界独自の定石を確立しきっており、完全にSFの文脈で書かれています。 例えるならば ファイアーエムブレムの世界観で、 銀河英雄伝説のような戦史を紡ぎつつ、 人間模様は十二国記。 さながら飛竜と征く太閤立志伝。 これらが絶妙な塩梅で混じり合い、それでいて違和感なく成立している事に感動します。まさに奇跡のバランス。 騙されたと思ってページを進めてみてください。その重厚な描写の数々に圧倒されること間違いなし。▼読む際の注意事項など 良くも悪くも文章量がとてつもなく多いです。実際の文字数ではなく体感として。よくもまあそれだけのシーンにここまで情景を展開できるなってくらい、情報量がミチミチに詰まってます。 なので、ハッキリ言うと疲れます。読むのに体力が要るタイプの作品。 「よーし、今日はどっしり腰を据えて活字を楽しむぞ!」 って気分の時には最高にピッタリですが、平日の昼休憩とか、ちょっとした空き時間に流し読みするのにはあまり向いていません。というかそんな読み方はオススメしません。もっとちゃんと時間を確保して、しっかり噛み締めてください。 また、先ほど十二国記と例に出したように、地名や人名は漢字(それも見るだけで『古典!』とハッキリ分かるタイプの命名)であるため、三国志であざなの連発に挫折した方は注意が必要。 さらに言うと、初っ端から独自用語のオンパレードなので、個々の用語に対する理解はいったん脇へ置いておき、「そういうモノが存在するらしい」程度で流してさっさと先へ読み進めた方が良いかもしれません。 頻出単語に関しては、放っておいても読み進めるうちに描写がみるみる積み上がり、いつの間にか詳細が理解できていることでしょう。そういう意味でも、読み味は完全にハードSFです。 なんといっても、本作の目玉は血湧き肉躍る合戦シーンのド迫力ですので、プロローグを数行ほど読んで取っ付きにくさを感じた方は、潔く第一章の第1話中盤までまるっといったん読み飛ばし、なんとなく「お、どうやら山賊討伐が始まったらしいな……?」と分かる部分から読んでみることをオススメします。 少なくとも私は、その読み方でガッツリ嵌まりました。 この作品を見つけた方が、第一印象で難解だと判断してそのままスルーしてしまうのは、あまりにも勿体ない事なので。
推薦:Mr.You78 評価:★ (Good:3/Bad:0)
同原作推薦一覧