「それは――泥を啜ってでも生き延び、地獄の底からお前の喉元を食いちぎりに来る、この『名無し』の執念だ」

 魂のバックアップが当たり前となった近未来。死すら金で買える時代に、凄腕バウンサーのアッシュは、唯一死を選んだ女――サクヤの喪失を抱えたまま、灰色の路地裏で生きていた。

 ある日、元親友の大企業エリート・ミハエルから舞い込んだのは、報酬も情報も不釣り合いなほど"きな臭い"依頼だった。ターゲットは「女神」と呼ばれる謎の存在――追えば追うほど、その裏には触れてはならない何かが潜んでいる。

 そして任務の果てにアッシュが出会ったのは、自分が何者かも知らない、月のように孤独な少女――カグヤ。彼女を守ることは、同時に、この街の誰かが必死に隠したがっている真実に手を伸ばすことでもあった。

 死と魂の売買が当たり前になった時代で、それでも譲れないものを賭けて動き出す――ハードボイルド・クライムサスペンス。

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