これは、満州事変が起きなかった日本で、拾われた娘が総理になるまでの物語。

昭和28年3月、28歳の女が総理大臣になった。
石原時子。「防衛分担金の増額は認めません。港を、空にします」
議場は凍りついた。
誰も知らない。この椅子は、25年前の6月、料亭の洗面所から始まったことを。

昭和3年6月、東京・新橋。
陸軍の異端児・石原莞爾は、海軍の米内光政と出会う。
そこで拾ったのは、関東軍でも満州でもない、一枚の送金票だった。
『時子 四歳』

男は史実を捨て、娘を取った。
その取捨が、帝国の進路を変える。
滑走路はいらない。水面がある。
飛行艇が河川と港を結び、アジアは空の港で接続される。

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