私が誘いました。
皐月賞も、ダービーも、菊花賞も。

一緒に走りたかったんです。
同じ舞台で競い合って、最後には私が先にゴールする。
そんな未来を、何度も思い描いていました。

けれど、彼女は速すぎました。
いちばん仲のいい友だちが、いちばん勝てない相手になりました。

憧れていた栄光を目の前でつかみ取った彼女に、おめでとうと伝えました。
でも悔しくて、それでも一緒に走って、最後には勝ちたかった。

英雄になりたかったゼンノロブロイが感情をめちゃくちゃにされ、その子のことしか考えられなくなってしまう話。