愛情なし。食糧なし。魔物あり。

 絶海の孤島に、青いカーネーションが産声を上げた。

 その名は、エディン。神の祝福たる青い瞳を持つが故に、彼は王子から贄たる死人となった。
 
 悪夢たる東塔へと幽閉された夜から、女神が夢に住み着いた。剣も、作法も、殺しも、生き延び方も仕込んだ、黄昏と青の女神。

 閉じられ、死にゆく道しかなかった少年。その扉を、一人の青年がこじ開けた。
 束縛を解き、不可能を超え、冒険と青春に乗り出し、数多の出会いと別れを経る。

 やがて。

 少年は最強の聖劍である【天璽聖劍 アレアライト】に見出される。
 その鋒の向き先は、人と魔族の果て無き大戦争。<魔人戦線>。

「──だから、僕は嵐を踏み越えてきたんだ」

 これは、飢えた天賦がやがて人の王となる少年の物語。