十二の暁鐘を巡る旅で、ミナは味覚、声、影、そして未来まで「私が我慢するのが一番簡単だから」と差し出していく。彼女の明るさに救われた五人は、やがてその笑顔が別れの準備だったと知る。
三千万人を襲う大夜蝕。国が一人の犠牲を選ぶとき、彼女が救う人数に彼女自身を入れられるのか。
- 朝食は五人分
- 家族欄の空白
- 三日寝れば戻る
- 一人ぶんの予備
- 笑わない薬師
- 白い値札
- 明日を分ける歌
- 隊長の古い署名
- 贈り物は貸し出し
- 帰りの日を書かない
- 味見係が二人
- 眠らない配達
- 報酬袋の行き先
- お礼は半分ずつ
- 影だけ置いていく
- 冗談と事実の二冊
- 百人ぶんの明日
- 喋りすぎた声
- 苦くない薬
- 甘さのない朝
- 帰り道のない地図
- 隊長が数えた子ども
- 明日の予定帳
- 白麦院のよい子
- 一番簡単な子
- 声のパンくず
- 十九番の名前
- 三日という長さ
- 置いていった大人
- 一人なら数えやすい
- 守るという解雇
- 役に立てる場所
- 分ける練習
- 影が先に帰る
- 喋らなくていい日
- 冗談の帳簿
- 名前のない帰還
- 返された贈り物
- 形見はいらない
- 鍵の外の五人
- 五十個のパン
- 三日後の空席
- 朝の器
- 嘘の一覧
- 信じた人の傷
- 一つの朝を百の手で
- いらない工具の使い道
- 数えられない国
- 朝焼けに、ひとり足りない
- 六人分の朝食