2011年3月11日14時46分。
日本列島を揺らすはずだった地震は起きず、代わりに深海棲艦が世界の海に出現した。各国海軍と自衛隊はシーレーンを寸断され、人類は滅亡の淵に立たされる。だが日本で“艦娘”と呼ばれる少女たちが現れ、彼女たちと協力するため、艦娘本部と各地の鎮守府が設立された。

それから十五年後、2026年4月。
一年前のハワイ攻防戦で轟沈した艦娘・時雨を母に持つ十八歳の少女、各務原結有は、提督候補生として浜松鎮守府に着任する。高すぎる霊子値と規格外の格闘術を持つ結有は、初日から救助用モーターボートで深海棲艦へ突撃し、飛び蹴りを叩き込んで周囲を凍りつかせる。

そんな結有の前に現れたのは、白髪と黒い瞳を持つ幼い流れ者の少女、アイ。
深海棲艦でありながら艦娘でもあるアイは、どの艤装にも適合する謎の存在だった。艦娘本部は彼女を危険な研究対象として見なし、深海棲艦は彼女を“戻れ”と呼ぶ。

母の死の真相を追う結有。
自分が何者かも知らないアイ。
神通、暁、夕立、扶桑、山城、最上たちとともに浜松鎮守府で戦ううち、二人はハワイ攻防戦で失われた時雨の残響、轟沈した艦娘たちの霊子、そして深海中枢の秘密へ近づいていく。

戦争の海で、結有はアイを兵器ではなくひとりの少女として選ぶ。
これは、時雨の娘と白い深海の少女が、“あと任せた”の先へ進む物語。