五歳の春、野犬から自分を庇ってくれた兄レオンハルトは、アルヴィスにとって憧れの英雄だった。やがて魔術の神童と呼ばれたアルヴィスだったが、十歳の冬、高熱をきっかけにすべての魔術を失ってしまう。かつての才能を失った彼が選んだのは、水路を直し、道を調べ、砦へ食糧や薬を届ける「兵站(へいたん)」の道だった。北の戦場で英雄と呼ばれるようになっていく兄と、帳簿と荷馬車で前線を支える弟。異なる道を歩む二人の背後で、誰も知らない運命が動き始めていた。これは、剣と魔術だけでは守れないものを守ろうとする兄弟の戦記ファンタジー。

※本作は「小説家になろう」「カクヨム」「ハーメルン」にも掲載しています。