董白を拾ったら三国志が壊れ始めた 〜にわか知識の下級書吏と、死んだことになった董卓の孫娘~
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オリジナル歴史/冒険・バトル
タグ:R-15 オリ主 残酷な描写 アンチ・ヘイト 転生 三国志演義
董卓が殺された日、俺は、死ぬはずだったその孫娘を連れて逃げた。
水の汲み方さえ知らなかった十三歳の少女は、やがて俺の知る三国志さえ追い越していく。

現代日本から後漢末へ飛ばされて一年。長安で下っ端の書類仕事をしていた俺――柳誠は、董卓の死で府が崩れた日、逃げる人波の中で立ち止まる董白を見つけた。

兵は董氏の縁者を探し始めている。このまま残れば、彼女も殺される。そう気づき、考えるより先にその手をつかんだ。

逃げるためにつけた名は「柳白」。俺の姓と、彼女の名をつないだ偽名である。

董白は、偉そうで、わがままで、筋金入りの世間知らず。飯の買い方すら知らないくせに、人前で物を決め、命じることには少しも怖じない。

曲がりなりにも、董卓の孫娘なのだ。

そして董白は、同じ失敗を二度としなかった。

飯と銭の重さを知り、人の使い方を覚え、俺の想像を超える速さで成長していく。水桶すら持てなかった少女の周りには、いつしか大勢の人間が集まっていた。

俺には、小説やゲームで覚えたうろ覚えの三国志がある。張遼や龐統の名を頼りに、彼らがほかの勢力へ渡る前に探し出すこともできる。

けれど、俺が知っているのは名前と断片的な未来だけ。彼らに董白のもとへ残ると決めさせるのは、いつも彼女自身だった。

董白は、知らないことを次々と自分のものにする。
俺は、知っていたことを一つずつ使い切っていく。

彼女が人を集めるほど歴史は変わり、俺の知る三国志は役に立たなくなっていく。それでも董白は迷わず次の道を選び、俺が隣にいることを少しも疑わない。

長安を出た日、董白の手を引いたのは俺だった。

彼女が俺の知らない未来へ進むとき、俺はどこまで董白についていけるのだろうか。
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