黒鉄組は、山奥の日本家屋を拠点とするどこか異質な暴力団である。

そこには代々受け継がれてきた呪い──『黒鉄の呪い』が存在していた。
呪われるのは常にひとり。
呪いは、代替わりとともに継承される。

柘植安曇は組長の次男であり、感情を出さずに合理的な判断で行動する異質な子供だった。

現在呪われているのは、そんな彼にとって父以上の存在である叔父の隆明。
安曇は叔父を救うため、呪いと向き合うことを選ぶ。

しかし呪いの正体は、化け物退治の副作用。
死水と呼ばれる水から湧く化け物を斬るたび、人の命が削られていくというものだった。

叔父を救う方法はひとつしかない。
安曇は自らの意思で、呪われる側の立場を引き受けることを決める。
しかし叔父もまた戦うことを選択し、その遺体は水となって消える。

これは呪いですら選び取る少年の、継承と決断の物語である。