本作は、『Winning Post 10 2025』と『ウマ娘 プリティーダービー』の世界観を下敷きにした、1971年から始まる競馬史のifを描く連作小説である。
ウイニングポストのリプレイ日記を出発点に、その流れを物語として再構築していく。

物語の主軸はあくまでウマ娘世界の設定に置かれており、
『Winning Post』由来の要素は、競馬史・戦績・年代設定などの裏付けとして補助的に用いられる。
そのため、作中で描写される開催レースや番組構成には、当時の史実には存在しなかったレースが含まれる場合がある。
なお本作ではウマ娘の世界観を用いながら、登場人物はすべてオリジナルのウマ娘で構成されており、原作に登場するウマ娘は登場しない。

また、ウマ娘の舞台であるトレセン学園についてはリアリティを重視し、
作中では「美浦寮」「栗東寮」という区分を用いず、

・トレセン学園 美浦校
・トレセン学園 栗東校

という、実際の立地を基にした設定で描写する。

本作の主人公は、トレセン学園・栗東校に所属する若きトレーナーであり、
彼の視点を通して、ウマ娘たちの走りと、その背後で静かに分岐していく競馬史が描かれていく。

なお、本作では『Winning Post』における馬主・騎手・調教師といった存在は登場せず、
ウマ娘世界における名門家や冠名を持つウマ娘についても、物語上必要な場合にのみ触れられる。

本作は、ウイニングポストとウマ娘という二つの作品世界の整合性を模索しながら、競馬史のifを物語として再構築する試みである。
設定上の粗や解釈の揺れが生じる可能性については、本作の性質上のものとして、あらかじめご了承いただければ幸いである。