底辺校に通い、ゲームばかりして、不良ともつるむやさぐれた少年がいた。
 キレやすく、自分勝手。口は悪く、頭に血が上るとすぐに手が出る。
 そんな少年がとあるゲームを手にする。
 逸る気持ちに押されるまま《ナーヴギア》を頭に装着し、始動キーを発音。意識が遮断された次の瞬間、視界は自室のベッドから見た天井模様から、広く美しい街の景観に変わった。
 とある学者が仮想現実分野を急速に発展させることで生まれた、世界を震撼させたゲームソフト《ソードアート・オンライン》。
 しかし、所詮ゲームでしかなかったその本質は大きく変わった。
 自発的ログアウトができない、脱出不可の牢獄と化したのだ。キャラクターは現実の体と運命共同体となり、あらゆる分岐路で命懸けの選択を迫られることになった。
 自堕落だった生活と価値観が、1人の狂人によって一変した。
 2022年11月6日。長い、長い、殺伐とした剣と戦闘の世界が幕を開ける。
 これは、脇役の少年(クズ)が、そうであるがゆえにリアルを生き抜く、2年間の物語(ストーリー)。